KCOA

熊本県臨床整形外科医会

Kumamoto Clinical Orthopaedic Association.

会長の挨拶

このたび、熊本臨床整形外科医会の第10代会長を拝命いたしました。偉大な先生方の後をうけ、重責に身の引き締まる思いです。会員の皆様とともに、本会の存続と発展、そして熊本県の整形外科医療を守るために力を尽くしてまいります。

現在、我々を取り巻く環境は、これまでにない厳しさを増しております。医療DXは急速に進められていますが、その導入・維持に要する費用、人手、事務負担に見合う診療報酬上の評価は十分とは言えません。国の方針に対応するために医療機関側が多くの負担を背負う一方で、物価高、人件費高騰、施設の老朽化は確実に経営を圧迫しています。このままでは、地域で整形外科診療を担ってきた診療所が、徐々に体力を失っていく危険があります。

本会においても、会員の高齢化、施設老朽化、継承困難により、会員数の減少は避けて通れない課題となっています。これは単なる会員数の問題ではありません。地域の整形外科医療を支えてきた横の連携、診療報酬や制度改定に対する情報共有、行政や関係団体への発信力そのものが弱まることを意味します。医会の力が低下すれば、現場の声は届きにくくなり、結果として会員一人ひとりの診療環境にも影響が及びます。私は、この状況に対して強い危機感をもっています。

今後の医会には求められているのは「入っていてよかった」と実感できる価値が必要です。診療報酬改定、施設基準、請求上の留意点、疑義解釈、医療DX対応など、日常診療と経営に直結する有用な情報を、許される限り、迅速に会員へ提供してまいります。医会が会員の診療と経営を守る実務的な支援組織となることを目指します。

また、若い世代の先生方に対しても、医会に参加する意義を明確に伝えていかなければなりません。個々の医療機関が孤立して対応する時代ではなく、制度改定、医療DX、働き方改革、地域医療構想などに対し、情報を共有し、共に考え、必要な声を上げる組織が必要です。

さらに、熊本大学整形外科教室が日本整形外科学会基礎学術集会開催に立候補されることは、熊本県の整形外科界にとって大きな意義があります。本会としても積極的に支援し、熊本の整形外科医療と学術活動の発展に貢献してまいります。

厳しい時代だからこそ、医会の存在意義が問われています。会員の皆様と危機感を共有し、地域整形外科医療を守るため、全力で取り組んでまいります。今後ともご指導、ご協力をお願い申し上げ、就任のご挨拶といたします。

熊本県臨床整形外科医会 会長 松原三郎