近年、食生活の乱れによる肥満や運動不足・運動能力の低下による障害や運動のし過ぎによるスポーツ障害の二極化が問題になっています。
驚くことに子供達の運動器の現状は、和式トイレが使えない。雑巾掛けができない。前屈で手が床につかないなどのバランス能力の低下や柔軟性の問題が多くみられます。また、転んだ時に、手をつけずに顔を打ってしまう。キャッチボールでボールをキャッチできずに顔に当ててしまうなど、反射神経の問題も指摘されています。
2007年に日本整形外科学会では、運動器の障害による移動能力の低下した状態を表す新しい言葉として「ロコモティブシンドローム 」通称「ロコモ」という概念を提唱しました。進行すると介護が必要になるリスクが高くなるという事で、高齢者を対象にしていました。高齢者の場合には、加齢によるバランスの能力の低下、筋力の低下、骨や関節の病気が要因で、今すぐにでも寝たきりにつながると考えています。
最近は、子どものロコモティブシンドロームが問題だと言われています。子どものロコモは、加齢によるバランスの能力の低下ではなく、姿勢不良や運動不足によるバランス能力の低下、高齢者の筋力の低下ではなく、柔軟性の低下、高齢者の骨や関節の病気ではなく、運動過度による障害が要因で、将来的に寝たきりになるリスクがあると考えています。
この4項目のうち、一つでもできないものがあれば「子どもロコモ」の疑いがあります。
しっかりと、対策を考える必要がある。不安な方は、整形外科の受診をお勧めします。